LGG乳酸菌の整腸作用を論文に従って考察してみた!

今日のコラムは昨日の続きになりますが、‟生きたまま腸まで届く乳酸菌”で最も研究論文が多く、様々な症状を緩和するLGG乳酸菌について、研究論文に則って深堀していきたいと思います。
LGG乳酸菌の特徴については昨日少し触れていますが、その摂取した時の効果は、まず整腸作用が上げられます。
整腸作用と言うと非常に幅広く感じますが、代表的な論文としては、「LGG®乳酸菌の摂取が健常人の便性、腐敗産物の生成および腸内細菌叢に及ぼす影響」として、LGG乳酸菌ヨーグルト摂取による、排便回数、便の腸内細菌叢の変化をビフィドバクテリウム菌、ラクトバチルス菌、そしてクロストリジウム菌の増減から考察したものになります。
まず、排便回数についてですが、LGG乳酸菌摂取前に排便頻度が1日1回以下の人25名を対象にしたところ、摂取前は0.75回だったものが、摂取中は0.84回、摂取後は0.76回と、わずかに摂取中が排便回数が増えたとするものです。
ただ、この研究結果だけでは、LGG乳酸菌摂取が排便回数を増やしたと言い切るのは、少し無理がある気がします。
私の経験上、腸活を積極的に一定期間行えば、元々排便回数が1回の人が2回、3回と増えていきます。本来は毎食後に便意をもよおし、排便するのが自然な形だと私は思います。
もちろん、この場合の便は、硬くも緩くもなく正常な便であることは言うまでもありません。
次に、ビフィドバクテリウム菌、ラクトバチルス菌、クロストリジウム菌の増減ですが、善玉菌(有用菌)と呼ばれるビフィドバクテリウムについては、腸内細菌叢に占めるビフィドバクテリウムの割合は摂取前10.1%、摂取中22.7%、摂取後14.1%とLGG乳酸菌摂取が効果的であったことを意味しています。
同じくラクトバチルスについては、摂取前0、摂取中7.9%、摂取後0と元来大腸には乳酸菌(ラクトバチルス菌)が存在せず、今回摂取したLGG乳酸菌がそのまま便中に付着したと考えていいのではと思います。
ただし、便検査ですので、小腸にいる乳酸菌は判定できず、小腸にて数日間、腸壁に付着して、死菌が便に付着したとも言えます。
いずれにしても、善玉菌(有用菌)については、効果的に働いたと見るべきではと思いました。
悪玉菌(有害菌)に属するクロストリジウム菌についてですが、クロストリジウム属の菌は有害でない菌もありますので注意が必要なのですが、今回のクロストリジウム菌は悪玉菌としての位置づけで見ています。
摂取前8.7%、摂取中5.7%、摂取後5.6%と有意に減少しており、摂取後も摂取中とほぼ変わらないことから、長期にわたって効果を発揮していることがうかがえます。
このように、腸内細菌叢を良い方向に変化させることが確かめられたことから、整腸作用と言う面では効果的であったことを裏づけているのではないでしょうか。
明日は、別の症状改善について見て行きます。
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